レジェンド達が残したもの
陸上競技のオリンピック選考会である日本選手権が行われています。
室伏選手が予選落ち、男子400mハードルで11連覇中の金丸選手も予選落ち。
その分野のレジェンドと言われた選手2名の予選落ちは、陸上ファンを驚かせました。
いつの時代も世代交代はあります。
室伏選手は、ほぼ引退したような状態でしたが、熊本の地震を受けて急遽、出場を決意しました。それは、「もう一度勝ってやる!」とか「オリンピックへ行ってやる!」という気持ちからではなく、自分が頑張る姿を見て、生きる力に変えて欲しいという理由からでした。
金丸選手は、今シーズン400mハードルのレースは走っていませんでした。それなりの理由があったはずです。万全な体調ではなかったのは言うまでもありません。でも、出場し今季初レースを走り切りました。
二人とも戦いの場へ出て来て、堂々と戦いました。
下の世代が育ってくるのを見届けるかのように静かにレースを終えました。
長年に渡り、第一線で引っ張ってきた二人には、ひとつの区切りとなるレースとなったかもしれません。
我々に夢を見させてくれて、多くの感動と喜びを与えてくれたことに感謝したいと思います。
女子100mでも中学生の頃から活躍してきた土井杏南選手も予選落ちでした。
土井杏南選手は、大学生になって、明らかにキレが無くなっています。
単純にふくよかな体型が動きを鈍くしているのは、素人の目でも分かるほどです。
福島選手のようなカラダを手に入れる努力が出来たら、第一線で活躍してくれるでしょう。
女子400mの青木りん選手のように勢いを感じる選手の台頭を期待して、大会2日目を応援したいと思います。
風営法改正の立役者、それは・・・
風営法改正によりクラブで深夜まで遊べるようになったのは、クラブ好きな方には良いニュースとなったことでしょう。
改正にあたり、クラブのDJ達が強く訴えてきたのは周知の通りですが、実は風営法改正には、ある人物の働き掛けが大きく影響していることは殆ど知られていません。
成長戦略で日本経済の再生を目指す安倍首相肝いりの日本経済再生本部。その中に産業競争力会議というものがあります。そこで力を発揮しているのが楽天の三木谷氏です。
今や三木谷氏は、安倍首相に意見を言える立場です。
この三木谷氏が風営法改正に動いたのです。DJの人達が一生懸命に訴えても、それによる経済効果はたかが知れています。日本人のクラブ好きがクラブに行って楽しめる為に国は動いたりしません。日本人がお金を落とすのは、それほど期待出来ませんが、外資系企業が東京にブランチを置き、その税収による恩恵が期待できるから国も動きました。
数千億円の利益をあげる外資系IT関連企業や新興企業のCEO達は、東京で過ごす時間をとても気に入っています。食事が美味しい店は沢山ありますし、お酒を楽しむ場所もあります。唯一、クラブだけが深夜に楽しめない難点がありました。その唯一の難点を改善する為に、日本の経済再生の為に、三木谷氏は発言し続けました。
今や世界的にも敏腕経営者として有名な三木谷氏は、その交友関係の広さでも安倍首相からの信頼を得ています。世界的に有名な企業経営者とも信頼関係を構築し、企業誘致にも一役買っている三木谷氏の後ろ盾なくしては、今回の風営法改正はあり得なかったでしょう。そのことを知っている方は、それほど多くはありません。
そういう背景があるのを頭に入れて、クラブで思う存分にお楽しみください。
何も知らない日本人
五郎丸選手がフランスに行くのは、更なる高みへ上るとか、力を認められて引っ張られたのではありません。
期待されて入ったレッズでは、語学力に問題があるだけでなく、能力的にもチーム首脳陣の期待を裏切ったカタチになったのは言うまでもありません。
怪我があったというのはグッドエクスキューズであり、レッズからしたら手放す為の好材料でした。結局、豪州では活躍出来なかったのです。
フランスへ行くのは、サッカー選手がヨーロッパのチームへ移籍するのと同じで、五郎丸選手の移籍契約によるジャパンマネーの獲得です。
放映権、スポンサー契約、タイアップ契約、グッズ販売、ツアー企画など諸々のオトナの事情があり、それらをまとめて手に入れることが出来るから移籍を受け入れる訳です。プロ選手なら当然のことです。
でも、日本では、五郎丸選手の力が認められたと勘違いをする人が大多数です。
海外の選手と比べて、五郎丸選手は特に優れた選手ではありません。
ワールドカップで活躍出来たのは、むしろ、日本の他の選手の優れたプレーがあったから五郎丸選手が活躍出来たのです。
でも、五郎丸選手に移籍のオファーがあるのは、日本でダントツの人気選手で、多くのスポンサーを呼び込めるという魅力があるからです。
客寄せパンダ的な扱いを受けるのは、海外へチャレンジするサッカー選手や野球選手でも同じです。
その中で自分のポジションを確立し、チームメイトや首脳陣から認められる存在になった選手が海外でも活躍出来るのです。
五郎丸選手が海外で活躍してくれることが、日本ラグビーのレベルアップにも繋がります。
客寄せパンダからチームに無くてはならない選手となってくれるように心から応援したいと思います。
見えたぞ!9秒台の扉とそれを開ける鍵が!
数年前から山縣選手の走りこそが9秒台の扉を開けると信じてきた者として、本日行われた布施スプリントで向かい風の中で10秒06で走ったことには素直に喜びを感じます。
今までの日本人スプリンターは、力的には9秒台で走れてもおかしくない選手は何人もいました。
彼らの走りについては、様々な研究がされていると思います。
しかし、シンプルに言うと、加速力を生む為に大きな動きをし過ぎているように思えていました。
歴代トップ10の選手の走りを見比べてみると、いかに山縣選手の走りが無駄のない走りなのかが分かります。
山縣選手は、ここから3~4年かけて、3段階で記録を短縮していく可能性があります。
第一段階は、今年。9秒95~98。
第二段階は、2018年。9秒92~94。※膝下の動きと地面を捉える接地時の動きが鍵!
第三段階は、2020年。9秒87~91。※臀部の強化が鍵!
日本人で初めて世界陸上男子200mでメダルを獲得した末續選手のように、メダルを獲得する可能性もあります。
心配なのは、腰痛、股関節痛、下肢の故障です。
各ステージに合ったカラダ作りを繰り返しながら、日本短距離界の歴史を塗り替えて欲しいと思います。
消化試合の最終戦、そして2020年への準備とは・・・
フランス相手にストレート勝ち。
会場が盛り上がれば盛り上がるほどテレビを観ている人間はシラケる試合。
視聴者は、とっくに気付いています。これは消化試合だと。
大会開催の為に最もお金を使い、日本代表がオリンピックへ行けるように一番お金を使った国、日本。
五輪切符を掴み、頑張る必要のない国は、本気で試合をする気持ちなどありません。
余計な体力を使いたくはありませんし、怪我もしたくはないでしょう。
最後に日本に、いや、日本のファンの為に、スポンサーの為に、そして、ジャニーズ事務所に為に・・・
負けが決まっている開催国に対するマナーであり、カッコ良く大会を終われるように花を持たせたのは言うまでもありません。
現実の厳しさを理解してるのは、選手達とサイドリポーターの大林素子さんだけでした。
石井アナウンサーとジャニーズの子達が、バラエティー番組やイベントショーのように場違いな盛り上げとコメントをする横で、常に厳しい顔をしていたのが大林素子さんでした。
大林素子さんが、笑顔で試合を見れるようになった時が、日本代表が本当に強くなった時だと思います。
作られたショーではなく、本当の戦いを伝えるメディアと戦いの厳しさを知るファンが生れた時に、中継する価値が生れます。
2020年東京五輪は、開催国として出場出来る種目が多くなります。
蓋を開けたら、こんな筈じゃなかった・・・とならないように、選手が頑張るだけではなく、今から4年かけてメディアとファンにも成長して欲しいと思います。
清原覚醒剤依存問題から見えるアスリート育成の課題
以前、川淵三郎氏に、Jリーグ選手のセカンドキャリアについて話を向けたところ、とても苦い表情をして、「それが一番難しい問題なんだよ」と言っていました。
プロ野球選手もJリーグ選手も、解説や指導者になれるのは、極々限られた人で、道に迷い変わり果てた姿になっている選手も報道はされないものの少なくありません。
飲み屋のマスターになるか、チンピラになるか、そんな声も聞かれます。
元プロ野球選手である清原氏の覚せい剤問題は、アスリートが抱える諸問題のひとつでしかありません。
今までだって、スポーツ界には様々な問題がありました。
ギャンブル依存者、性的暴行常習者など、球団や会社がお金でもみ消すことも良くある話です。
素人相手の問題は、お金で和解することは、昔からずっとありますし、今でもある話です。
バドミントン界の違法カジノ問題は世間を騒がせましたが、パチンコ依存になり給料を使いこんでしまったり、キャバクラ嬢にのめり込んでしまい、怖い人たちから追いかけ回され、金銭を要求されることも良くある話です。
元トップ選手が監督やコーチになり、数千万円から数億円のクラブ運営費を自由に使えるようになるとギャンブルなどにそれを使用するためクラブの運営費を使いこんでしまい、それを補てんする為にサラ金から借金し、返せずに会社まで取り立て屋が来て問題になり、もみ消そうにももみ消せずに、解雇になることもあります。
元選手が監督になった後、女子選手に手を出してしまい、家族から訴えられて、数百万円の慰謝料(和解金)を払うことも全然珍しくありません。逆に、頑張れよと激励の意味で背中を叩いただけなのに、セクハラ行為を受けたとして、監督・コーチ相手に慰謝料を請求してくることもあります。
男子選手ばかりではありません。女子選手だって、様々な問題を起こし解雇されることもあります。レギュラー争いや結果を求められることへのストレスから、チームメイトのお金を盗んだり、コンビニやスーパーで万引きをしたり、異性に夢中になり、給料を全て貢いだり、妊娠したりすることも少なくありません。もみ消せるものはもみ消す努力をしますが、どうにもならずに、現役を引退する選手もいます。
アスリートと言えど、競技をしている時間以外は、普通の男女です。興味のあること、ハマることは一般の人と変わりません。
ただ、ハマり方が半端ではありません。歯止めが効かなくなります。
結局は、中学時代からもてはやされてきたことのしわ寄せが、お金も時間も持てるようになってから一気に押し寄せてくるのです。
必要なのは、ジュニア時代からのモラル教育です。
怪物・天才・〇〇年に一度の逸材!と言われているジュニア選手ほど、一般の生徒以上のモラル教育が必要です。
(つづく)
日本スポーツ界の実情~バレーボール界の課題~
K-POPが、何故世界戦略に成功するのか?
それは、韓国国内のマーケットが小さいから世界に出ていく必要があるからです。
日本には、国内でも利益を上げるに十分なマーケットがあるので、世界的に活躍するアーティストや企業が育ちにくい傾向があります。
これは、少女時代など世界的に活躍するアーティストを輩出した音楽事務所の社長が言っていた言葉です。
「日本からグーグルやアマゾンのような世界規模の企業が出ないのは、日本だけでも十分な市場があり、十分な成功を収めることが出来るから、敢えて世界に出ていく必要がないからです」とは、堀江貴文氏の言葉です。
これは、国内スポーツでも同じことが言えます。
日本国内で育ち、中学・高校時代からアイドル的な存在として、もてはやされてきた選手は、結果的に世界の舞台で活躍する選手には育っていません。
女子バレーが五輪切符を獲得したのは、「中東の笛」ならぬ「日本の笛」いや「スポンサーの笛」があったからなのは言うまでもありません。
現在行われている男子バレーは、石川選手にスポットライトをあてて、アイドル選手を作ることで人気を上げて、スポンサーをつけて、事前告知活動を行い、テレビ特番を組み、チケットの売り上げも、視聴率も高くなる様に「スポーツをショー化」して行われています。
女子バレーと違い、男子バレーは、世界との差が歴然としている為、盛り上げても盛り上げてもストレート負けしてしまう有様です。
ホーム開催の大会で圧倒的声援とやりやすい競技日程で戦っているのなら、ストレート負けした試合は、観客はブーイングして当然です。
「チケット代返せ!」「チャラチャラするな!」「結果を出せ!」と言って厳しい声をぶつけてこそ、選手達は自分達の力の無さを身に染みて感じて、やらなければならないことを再認識して、より一層の努力をするようになります。
メジャーリーグや海外サッカーなどでは当然のことですし、国内でもプロサッカーやプロ野球では良く見られることです。
バレーボールは、スポーツビジネスとしては成功しても、選手育成面では大失敗だったとならなように、バレーボール関係者は心して育成システムと大会運営の在り方を考え直してほしいと思います。
そして何よりも報道の在り方、ファン育成の責任を考え直して欲しいと思います。
ストレート負けしてブーイングが出ないような意識レベルの低いファンのままでは、いつまでたってもバレーボール界、特に男子バレーの発展はなく、世界のトップには近づかないことを再認識して欲しいと思います。