清原覚醒剤依存問題から見えるアスリート育成の課題

以前、川淵三郎氏に、Jリーグ選手のセカンドキャリアについて話を向けたところ、とても苦い表情をして、「それが一番難しい問題なんだよ」と言っていました。

 

プロ野球選手もJリーグ選手も、解説や指導者になれるのは、極々限られた人で、道に迷い変わり果てた姿になっている選手も報道はされないものの少なくありません。

飲み屋のマスターになるか、チンピラになるか、そんな声も聞かれます。

プロ野球選手である清原氏覚せい剤問題は、アスリートが抱える諸問題のひとつでしかありません。

今までだって、スポーツ界には様々な問題がありました。

 

ギャンブル依存者、性的暴行常習者など、球団や会社がお金でもみ消すことも良くある話です。

素人相手の問題は、お金で和解することは、昔からずっとありますし、今でもある話です。

バドミントン界の違法カジノ問題は世間を騒がせましたが、パチンコ依存になり給料を使いこんでしまったり、キャバクラ嬢にのめり込んでしまい、怖い人たちから追いかけ回され、金銭を要求されることも良くある話です。

 

元トップ選手が監督やコーチになり、数千万円から数億円のクラブ運営費を自由に使えるようになるとギャンブルなどにそれを使用するためクラブの運営費を使いこんでしまい、それを補てんする為にサラ金から借金し、返せずに会社まで取り立て屋が来て問題になり、もみ消そうにももみ消せずに、解雇になることもあります。

元選手が監督になった後、女子選手に手を出してしまい、家族から訴えられて、数百万円の慰謝料(和解金)を払うことも全然珍しくありません。逆に、頑張れよと激励の意味で背中を叩いただけなのに、セクハラ行為を受けたとして、監督・コーチ相手に慰謝料を請求してくることもあります。

 

男子選手ばかりではありません。女子選手だって、様々な問題を起こし解雇されることもあります。レギュラー争いや結果を求められることへのストレスから、チームメイトのお金を盗んだり、コンビニやスーパーで万引きをしたり、異性に夢中になり、給料を全て貢いだり、妊娠したりすることも少なくありません。もみ消せるものはもみ消す努力をしますが、どうにもならずに、現役を引退する選手もいます。

 

アスリートと言えど、競技をしている時間以外は、普通の男女です。興味のあること、ハマることは一般の人と変わりません。

 ただ、ハマり方が半端ではありません。歯止めが効かなくなります。

結局は、中学時代からもてはやされてきたことのしわ寄せが、お金も時間も持てるようになってから一気に押し寄せてくるのです。

 

必要なのは、ジュニア時代からのモラル教育です。

 

怪物・天才・〇〇年に一度の逸材!と言われているジュニア選手ほど、一般の生徒以上のモラル教育が必要です。

 

(つづく)